603

4th写真展「603〜僕は、愛がわからなくなった。。。。〜」@Gallery Room305

*センシティブな内容のため、サイトでの公開は無しとします。

写真展『603』に向けて

写真展『603』は、とある男性がわずかな期間に複数の女性と関係を持ち刹那な悦びを感じながらも、どこか虚しさを感じ『愛とは何か』を探し彷徨う様を形にしたものです。
わたしは、これまで、Distance(距離)、Gravity(引力)と常に距離とその関係性をテーマに写真を撮ってきました。今回は、そこに劇場型の演出を入れることで”人間というもの”を炙り出そうと試みた実験的な作品です。

『僕は、愛がわからなくなった。。。』という台詞は、ファインダー越しに彼が見せてくれた葛藤を私なりに代弁したものです。

主演を務めた”まふりる”は、十分な説明を聞かされぬまま撮影場所に呼ばれ、三名の女性と距離を詰めてもらいました。その前後で彼の感情を揺さぶるような仕掛けをいくつも用意し、僅かな期間に数多くの感情の蠢きを味わってもらいました。
あえて細かな台本を用意せず、その日の流れでエスカレートしていく感情と行動に任せて、私は時にドキュメンタリーな視線で、また時には共犯者の立場で、果てることなくシャッターを切り続けました。
今回展示しているのは1万枚を超える写真のわずか一部ですが、この展示を通じて閲覧してくださる方にも『603の目撃者』になってもらいたいと願っています。
京都のとあるマンションの603号室で起きた男女のまぐわい、結局それはなんだったのか、私自身も結末が読めないまま、撮影を終えました。この作品から、どのような答えを導き出すかは、見る方それぞれに委ねたいと思います。

なお、この撮影は1年以上前に行われました。こうして表に出すまでに1年間寝かせることとなりましたが、それだけの時間が必要だったのだと考えています。

最後に、翻弄されながらもカメラの前に立ち続けてくれた主演のまふりる、そして彼との撮影を快諾してくださった3名の素敵な女性たち 七遊さん、SE-NAさん、さとちさんに心より感謝いたします。